ここでは、基本的な考え方を述べてゆきます。 解説図・・・作成中です
ティーグランドの状態はプレーヤーにとっては重要です。
立ちづらいとか、構えにくいという原因にはそのティー面の状態が影響することもあります。
また、右に行きやすいティーなどは、面が前下がりだったり、つま先下がりになっている場合もよくあることです。
無頓着に平坦という見方をしがちですが、よく見るとティー面は意外と無茶な勾配がついてしまっていることが多いものです。レベルチェックは3年に一度はしておいた方がよいでしょう。
ティーの作り方の基本
原則的に長いホールは縦長、短いホールは横長に取るものです。
打ち下ろしのホールでは、横長になるケースが多いものです。
(打ち下ろしの場合はティーの前方が視界を妨げますので、視界とのバランスを取り、幅が出せる余地があれば、幅の拡幅で面積確保を考えるべきです。)
面積の目安
バックティーやレディースティーは平均面積として80~120㎡
レギュラーやフロントは200~300㎡
ホール平均として面積トータルで600㎡程度は欲しいものです。
近年の傾向としては、それぞれのティーを分けずに統合して
コース管理をしやすくする傾向にあります。
幅は最低8m以上取るべきです。ティーマークの配置の基本的に幅6ydです。
面積と使用頻度の他に日照は大きくそのティーの状態を左右します。
日陰地にならないように間伐をしたり、位置を変えたりすることも必要になります。
ティーはIPセンターに向かって、前上がりの1~1.5%勾配が基本です。
つまり、15mの長さのティーであれば、前後の高低差は15cm~18cm程度です。
2%以上の傾斜になると違和感が出てきますのであまりお勧めはしません。
床構造は、基盤をしっかりと仕上げてから、10~15cmの排水性のよい砂又は砂質土を客土します。
基盤の段階で、転圧しても締まらない場合はセメント改良をする場合もあります。
その原因として重要になるのが、周辺からの地下水の流入の有無を確認することと、表面排水の桝取りが出来ているかハローが取れているか?です。外周との取り合いが重要になります。
外周に暗渠排水を施すことも重要になります。
なぜ、前上がり1%なのか?
水平のティーを作る場合は、念入りな暗渠排水が必要である。
水平に作られたティーは概ね、どこかに低みが生まれ水が溜まり、藻やコケの発生の危険性が高くなると同時に湿気から菌やミミズなどの発生を誘発しやすいものとなる。
日本の多くのコースは丘陵地帯にある。さらに左右や後方に山を抱えていることが多い。
そこからの地下湧水や表面排水の浸入を防ぐためにティーは少し上げて作られることを余儀なくされる。よって、片方は切土でも、他方は盛土となることが殆どである。その際の肩の盛土は転圧を十分にしたとしても、幾分下がる可能性が高い。と言うより、必ず下がってくる。よって、初めから中高になるように作ると、それは年数を踏むごとに中高がさらに進みおわん状になる。
ティーグランドとしての注意事項
ティーの方向性
ティーの形状は重要です。
形状がそのホールのもつ方向性と違っている場合、プレーヤーは勘違いを起こしやすくなります。
ティーの両サイドはIPのフェアウエイ両端を直線的に結ぶラインが理想的と言え、ティー前面のラインは方向線に対して直角になっているべきです。
ティーの形状について
近年、流行のように刈込ラインを直角の鋭角を取り一切曲線を使わないスクエアな形状のティーが増えてきました。主に外国人設計者による改造によく見られます。霞ヶ関カンツリー東コース・太平洋御殿場コースなどです。
私も良いデザインと感じますが、それを作る条件として、周辺の敷地的なゆとりがないと難しいでしょう。また、刈込の手間はかかる方向となるでしょう。
一般的には、モアがターンをするに問題がない程度の丸みを持った過度の形状と、IPに向いてのラインを守った直線または緩いカーブラインが形成されます。
ティーの配置について
ティーは周辺の樹木の生長によって、芝の生育不良になることが多くあります。ティーはそのような環境に作られやすいものです。クラブの理解をもとに影や雫の落ちるような場所から離すか、樹木を剪定又は伐採をしなければよいティーにはなりません。