日本ではこのような何気ないパー5をよく見かけます。
単調でどこに打って行けばよいか分かりません。 借景が悪くメンテナンスもおぼつかなければ、真に退屈な記憶に残らないホールです。
どこから攻めればよいのか戸惑います。
キャディーさんに聞くと「あの山の方です」などと教えられますが、その示す方向は大抵FWのど真ん中ということがよくあるものです。 そんなコースの典型的なホールセッティングです。
そこで・・・・
このホールのダブルグリーンをワンに切り替え、戦略性豊かな魅力的なホールへ改造してみましょう。
(便宜的に高低差については無視します。IPやTeeのポジションもそのままです。FWは概ね40ydと仮定しています。)
改造に際しては、右のグリーンを工事中に使用し、片方のグリーンを改修する事も可能です。使える状態になった時点で周辺を再度改修するという2段構えの方法などが直感的にイメージできます。
この図面は各バンカーやFWのライン取りを新旧わかり易くしています。
テーマは
バンカリングの変更に伴う魅力的なポジション作りです
Teeから250yd(第1IP周辺)のフェアウエイに平行にセットされていたバンカーをフェアウエイに食い込ませるようにアングルを持って置くことで、FWのラインは蛇行します。それは第2IP(IP~200yd)のバンカーも同様です。
この場合、グリーン周りのバンカーはそのままに利用します。
右グリーンは後に取り除く計画です。
バンカリングによって、ホールにアングル(角度)が生まれました。
打つべき方向性は各プレーヤーの飛距離に応じて、配されたいずれかのバンカーのどちら側にターゲットを絞るべきかを明確にイメージさせます。
つまり、FWに『左・右』という概念が明確になり、有利不利というポジション取りの違いを持たせます。
左のバンカーを超えたところでFW幅は広がり約50Ydとなりアベレージゴルファーにとっては広さが実感できます。
ティーショットで第1IPの右バンカーぎりぎりのFWポジションは2オンを有利にします。
一方、左から攻める場合、3オン2パットのパーの攻略は比較的容易です。
この改造により、なによりもTeeからバンカーの織り成す景色が美しく正面に絡んできます。
これは、上の改造パターンとはIP地点のバンカリングの逆パターンで書いてみたものです。
グリーンとグリーン周辺のバンカーも変更してみました。さらに、樹木の植え込みもイメージに加えています。
こちらの方が、飛ぶ人に有利ですが、大怪我を誘うものでもあります。
誘うホールとしては、このセッティングも魅力的かもしれません。
どちらが正解かといえば、基本的には始めのプランになると私は考えます。
ただし、実際の現場では、18ホール全体の流れや、その地形のあり方ティーの更なる改造の可能性によっては、このプランが生きる可能性も十分にあると思います。
両方に共通するんもは、フェアウエイが各ショットポジションから、斜めに入り込んでいる事です。 また、バンカーの向きも斜めに角度を持っています。15度~45度の角度をすべて持たせています。
全ての対象物では、真正面美人はなかなか存在し得ません。